「鬼神のごとく受注する!官公庁専門のセールスマン!」
・公共土木の営業部長とは?
工事売上高の9割を占める、公共の土木工事の営業で「官公庁営業」と言われる、公共工事専門の営業である。
公共工事の役人相手の事務的な営業が、主な仕事となる。
民間営業とは違い、発注者となる公共工事の役人に直接会って、営業はできないので待ちの営業戦略となり、ものすごく退屈な営業。
そのあたりは、民間営業にくらべるとだいぶ楽である。飛び込み営業がないだけに・・・
そして、
人々は言う・・・
「別に部長じゃなくても、事務員で、いいんじゃねぇ?」
と・・・
- 1.職業(公共土木の営業部長の仕事)
- 2.能力(公共土木の営業部長の強さ)
- 3.装備(公共土木の営業部長の装飾品)
- 4.特技(公共土木の営業部長の得意技)
- 5.特長(公共土木の営業部長の性格)
- 6.転職(公共土木の営業部長の将来)
- 7.総括(公共土木の営業部長のまとめ)
1.職業(公共土木の営業部長の仕事)
一般土木の「普通役員」の基本的な内容の解説。
基本ステータス
名前:公共土木の営業部長
LEVEL:10(経験年数10年以上)
HP:30(肉体のつよさ)
MP:30(頭脳のつよさ)
経験値:3650(次のレベルまであと365日)
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業界:建設業
種族:土木系(総合業種)
業種:一般土木(正式名:土木一式工事業)
職業:役員(正式名:やとわれ部長)
階級:普通の位
おもな仕事の内容
営業部長とうたわれる、専門の仕事内容を見てみよう。
【営業の業務】
公共土木工事全般にかかわる、発注から受注までの事務を担当する仕事。とはいっても、役所のほうから「この工事を発注します。」「設計図書と参考資料を送ります。」と、すべて役所が段取りしてくれる、殿様商売的な営業の仕事。
【積算の業務】
入札執行通知書が発行され、設計図書と参考資料を基に、積算ソフトを駆使して、設計見積額を出すこと。
【談合の業務】
官製談合ではなく、業者同士のいわゆる「建設工事研究会」のこと。入札前に、誰が落札するかを決める重大な会で、夜に料亭で行われる。しかし、最近ではめっきり減り、そういう話はあまり聞かない。
【入札の業務】
官公庁発注の公共工事の入札公告のチェック、情報収集、情報分析、根回しなどの戦略を練ること。
入札会場に出向いての入札の仕事。(でも最近は、電子入札になっている)
発注前の工事を受注するまでが主な戦であり、そのあとは完全に無関心となる。
あとは、下請け工事の業者とのやり取り。
気になる給料の中身
【やとわれ方】
・雇用形態:雇われ部長
会社と「雇用契約」を結んでいる労働者。取締役などの役職が付いていない、学校の学級員と同じ経営権のない「ただの雇われ部長」のことである。
・賃金形態:月給制
一月いくら?の「月給賃金」で、一般の社員と同様、一か月の固定の給料がもらえる。ちなみに、残業は基本時給の1.25倍、休日夜間は1.5倍。
・勤務形態:時間労働
労働時間は一日8時~17時までの基本8時間で、休日は土曜日、日曜日、祝日であるため、年間120日ほどの休みがある。
計算すると、出勤日数は年間245日(月20日)となる予想。
【きほんの給料】
・給与:年360万円(月30万円)
基本給が月給30万円の固定賃金。
日給に直すと30万円÷20日≒15,000円、時給にして1,800円となり、かなりいい方だと思う賃金になる。ちなみに、年収は30万円×12ヶ月=360万円なり。
建設界の普通作業員では、太刀打ちできない賃金(作業員の1.8倍、キャバ嬢より少し安い)がもらえる。
・残業:年0円(月0円)
一般土木の場合、公共工事が主な元請け工事であるため、ほとんど残業はしない。あったとしても、もちろん部長であるため残業はつかない。
・休出:年0円(月0円)
休日出勤なんて、まず考えられない。もちろん夜間作業も全くない。
・賞与:年60万円(1回30万円)
ボーナスのこと。土木部長の場合、年2回の賞与があり、1回に一月分くらいのボーナスがもらえる。
・手当:年120万円(月10万円)
部長クラスになると、当然役職手当がつき月5万円、年間60万円がもらえる。そして、昼の会食、夜の接待などは会社経費で落ち、結構自由に使えるお金が、月5万円で年間60万円。
※仮の給料
額面の年収540万円(月45万円)
仮の給料とは、会社と雇用契約を結ぶ時の給料や、求人案内などに書かれている給料で「額面の給与」と呼ばれており、だいたいこんな感じになる。この金額が丸々手に入るわけでもないので、あしからず・・・
【ほんとの給料】
・天候による休み:年-0円(月-0円)
土木工事の場合、建設界最大の天敵「雨、雪、台風」があり、年間1割(年30日)ほど現場で作業ができないので当然、休みとなる。
が、天候に関係ない事務所なので、休みはない。
・連休による休み:年-0円(1回-0円)
1月の正月休み(3日間)、5月のゴールデンウイーク(3日間)、8月のお盆休み(3日間)の長期連休で、年間9日程度、建設界では事務所も休むことになる。
もちろんない。
・税金による搾取:年-124万円(月-10.3万円)
社会保険や雇用保険、所得税など、国にとられる税金で、給料総額の「約23%」が上納金として持っていかれる。
※真の給料
手取の年収416万円(月35万円)
額面の年収540万円(月45万円)
年間の差額 -124万円(月-10万円)
実際に手元に残る手取りの給料は、休みや税金を差し引くと、これくらいになる。これが「真実の給与」です!!
※ケンセツクエスト調査班のかなり「テキトー」な計算方法で算出しています。あしからず・・・
2.能力(公共土木の営業部長の強さ)
一般土木の「普通役員」に必要な、いろいろな基本能力値を解説!
つよさ(強さ)
総合能力値:30ポイント(60ポイント中)
0■■■■■■■■■□□□□□□□□□60
「力、技、体、賢、速、心」の6つの数値を集計した総合ポイント。数値が高いほど「強い」とか「すごい」とか「かっこいい」と思われる。
ちから(腕力)
力: 3 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
腕力の強さのこと。現場作業は、まずありえないので、力はいらない。
うでまえ(技前)
技: 5 ★★★★★☆☆☆☆☆
営業トークの腕のこと。物を作る技術は必要ないが、話術と呼ばれる数々の口技を使えなければいけない。
たいりょく(体力)
体: 5 ★★★★★☆☆☆☆☆
持久力の長さのこと。色々な打ち合わせで、出かけることが多いので、多少体力は必要。
かしこさ(賢さ)
賢: 5 ★★★★★☆☆☆☆☆
頭の良さのこと。銭勘定や、見積もりなどの計算能力はいる。あと、お客さんとの心理戦がある。
ざいりょく(財力)
財: 5 ★★★★★☆☆☆☆☆
お金のこと。部長クラスになると、それなりに給料はもらうため、そこそこ持っている。
こころのつよさ(心の強さ)
心: 7 ★★★★★★★☆☆☆
精神力の強さのこと。営業マンの基本【ココロの忍耐力】を必要とする。
3.装備(公共土木の営業部長の装飾品)
一般土木の「普通役員」が現在装備できる武器、防具、その他の道具。
ぶき(武器)
【事務系】
電脳属性:折りたたみの携帯電話
電脳属性:土木専用の積算見積システム
ぼうぐ(防具)
【兜系】
頭の保護:香りがいい整髪料
【籠手系】
手の保護:ロレックスのバッタもん腕時計
【鎧系】
体の保護:パリッとしたフォーマルスーツ
体の防寒:パリッとしたダッフルコート
【甲懸系】
足の保護:ローファーな革靴
どうぐ(道具)
【管理系】
装飾品1:予定を書き込むシステム手帳
装飾品2:書きやすいボールペン
【乗物系】
専用車:営業用の普通自動車
通勤車:同上
4.特技(公共土木の営業部長の得意技)
一般土木の「普通役員」が経験を積むことにより覚えるスキル・技、それと奥義。
覚えなくてはならない基本技
【営業技:積算見積もり】
難易度:1 ★☆☆☆☆
役所からもらった工事の参考資料を元に、工事の請負代金をはじき出す技。このはじき出した金額次第で、工事が受注できるかどうか決まるので責任重大だ!
しかし・・・積算ソフトの発達により、役所の参考資料をソフトに打ち込むだけでよく、事務員でもできる仕事になった。よって、見積もりではなく、役所の設計金額との「答え合わせ」の仕事となりつつある。
【営業技:研究会】
難易度:3 ★★★☆☆
談合に出向き、どうにかして仕事をとってくる技。談合の現場では、タヌキとキツネの化かしあいに始まり、混沌(カオス)魑魅魍魎(グール)な世界が行われる。実際の営業マンの話では「はらわたが煮えくり返る」ような研究会だといわれる。
できれば覚えたい特殊技
【聴覚技:壁に耳あり】
難易度:3 ★★★☆☆
業者同士の飲み会や、会合などに出向き、隣の席の話に聞き耳を立てて、情報収集する技。
【視覚技:障子に目あり】
難易度:3 ★★★☆☆
いろんな現場を見たり、入札情報や経営事項審査の内容を、目で見て記憶する視察調査の技
【会話技:社交辞令】
難易度:3 ★★★☆☆
付き合いをうまく進めるための、礼儀的な挨拶。「奥さん!いつも御奇麗で!」というホメ言葉を、恥ずかしがらずに言える技。
【会話技:嘘八百】
難易度:3 ★★★☆☆
営業トークの口技のひとつで、自分に都合の悪いことは、平気でシラを切ったり、とぼけたふりをすること。
しかし、下手すると「ウソツキ」呼ばわりされる諸刃の技。
【奥義技:コネクション】
難易度:5 ★★★★★
いままで自分が培ってきた人脈と縁故を武器に、どんなに不利な工事でも、何とかして受注する技。この技を使うためには、早いうちに相手に貸しを作っておこう!
【最終技:引き寄せの法則】
難易度:5+ ★★★★★+★
「思考は現実化する」と言われ、「今から自分に起こる事は、自分が強く願い、想像したことである」と言う、魔法のような奥義。そんな馬鹿な・・・と思われがちだが、本当に実現できる奥義である。
持っておきたい資格術
【民間資格:マーケティングスキル】
難易度:5 ★★★★★
「人を集め、物の良さを語り、相手に売る」という、商売の基本を学ぶこと。単品受注生産の建設業界でも通じるものがある資格。
さぁ!参考書を探しに行こう!
5.特長(公共土木の営業部長の性格)
一般土木の「普通役員」の良いところ、悪いところ、建設界での階級などなど。
良いところ
・官公庁の工事の営業が主のために、建築系や材料屋に比べると大分楽。
・現場作業のように、決められた業務がないのと、工事を取ってくれば、ある程度は自由である。
・ルート営業っぽい仕事なので、スキルが全くいらない。
・いろんな人と知り合いになれる。
悪いところ
・やはり、人に頭を下げるというのは、精神的にきつい。
・せっかくの休みの日に、業者の人からお構いなしに電話、呼び出しがある。
・腹が立っても怒れない。ガマンガマン!
社会的地位
・階級:ホワイトカラー(上流階級)の金持層
ホワイトカラーの上流階級である。やはり営業マンといえばスーツであり、できる男である。一般社会でも、できる男と思われがち。
生き残り
営業職というのは【マーケティング】において、必要不可欠であり、人間にしかできない技術である。逆に言うと、営業力をもった者でないと、生き残れない!
6.転職(公共土木の営業部長の将来)
一般土木で「普通役員」の職を極め!進化し!転職せよ!
まずは・・・
最初に、一般土木の役員【公共土木の営業部長】になって職を極めよう。
・なりかた1:土木の営業職を募集している会社を探す。あまりないと思うが。(就職率10%)
・なりかた2:現場作業は苦手だが、おしゃべりにセンスがある。(就職率50%)
・なりかた3:監督から営業へ、会社内で転職する。(就職率90%)
そのあと・・・
レベルを上げて上級職に進化しよう!!
鍛え上げたその話術で、一般土木の上級役員【なんにも専務】当りを狙おう!
・なれる条件1:ただひたすら・・・会社のために尽くす。
・なれる条件2:社長の靴を腹の中に入れて温めておく。
・なれる条件3:振り返ってみると自分より仕事ができる者がいない。
さらに・・・
さらなる高みを目指し、ほかのジョブへと転職!!
・オススメ転職先1:思い切って、一般土木の初級経営者【起業したての新米社長】を目指す道。あまりお勧めはできないが、目指してみるのもいいかも。
7.総括(公共土木の営業部長のまとめ)
そうかつという名の感想。
まとめてみた
土木工事の9割は、公共工事である。そして、その営業相手は役人であり、「四角四面」、「杓子定規」の手続きに則った事務的な営業である。
だから、飛び込み営業、テレアポ営業がある世の中の営業職にくらべると、比較的に簡単な部類に入る。
しかし!
ほかの営業の世界は奥が深く、職業をきわめることに比例して、お金を莫大に稼ぐことができる!
一度、建設業界を飛び出して「マーケティング」と呼ばれる大海原を探検してみては・・・
営。
・一般土木の会社をのぞいてみる。
・一般土木のほかの職業をのぞいてみる。