「インフラの属性【水】に命の技を懸けた男たちの業!」
・青水色のパブリックウォーターとは?
建設業界に存在する4つの種族のうち【設備系】と【土木系】の両方に属し、公共水道の業(わざ)を持って、上水道工事の完成を請け負う者の総称。
そして、
パブリックウォーター(公共の水道屋)と呼ばれ、社会資本のインフラである「水道水」を担当し、公共の道路の中に「送水管、配水管」と呼ばれる水道の本管を設置する業者のことを言う。
また、
我々が毎日おいしく水を飲めるのも、この人たちのおかげでもある。
その名の通り【水】系の属性を持ち、【青】の色を好むと言われる。
- 1.任務~上水道工事の仕事~
- 2.基地~上水道会社の能力~
- 3.組織~上水道業者の系譜~
- 4.資格~上水道施工の証書~
- 5.格納庫~大きな機械の倉庫~
- 6.道具箱~小さな工具の物入~
- 7.まとめ~要約してみる~
1.任務~上水道工事の仕事~
「上水道工事業」という任務を遂行する者の仕事内容など。
きほんの情報
業界:建設業(分類コード0301)
種族:設備系(専門業種)
業種:上水道(工事の呼び名)
許可の規模:一般建設業
許可の種類:管工事業
ぎょうむの内容
市町村が主体の「上水道事業」の工事を得意とする。
【設備系の上水道の種類】
・取水施設:原水と呼ばれる地表水や地下水を取水する施設
・導水管:取水施設から、浄水場まで送る管
・浄水施設:取水した水を、浄化、消毒して上水道へ供給する施設
・送水管:浄水場から、配水場まで送る管
・配水施設:浄化された上水道を、各家庭に配水する施設
・配水管:配水場から、給水地区まで送る管
・給水管:配水管から分岐して、各家庭の給水装置まで
と、言う流れである。
【金属管の配管】
・ダクタイル鋳鉄管:日本で一番使われている水道管。管の種類は、従来型のA形K形のほかに、耐震性に優れたNS型やGX形がある
・ステンレス鋼管:ステンレス鋼を使った水道管。さびにくく仮設配管などにも使われる。
【樹脂管の配管】
・ポリエチレン管(青ポリ):材質には第三世代の高密度ポリエチレン(HPPE)を使用して、耐震性、耐久性に優れる。継手には融着式が使われる。
・ポリエチレン管(二層管):材質には第二世代の鎖状低密度ポリエチレン管(PE)を使用して、柔軟性に優れている。継手には金属式が使われる。
・ポリエチレン管(一層管):材質には第一世代の古いポリエチレン管(PP)を使用しており、現在はあまり使われない。
・塩化ビニル管(塩ビ管):従来の塩化ビニル管(VP)と耐衝撃性に優れた(HIVP)の種類があり、加工性、経済性に優れる。
以上が主となる材料だ!
しょうさいの詳細
【仕事の割合】
「送水管、配水管、給水管」と公道下に布設する水道工事が多く、そのほかに「取水施設や浄水施設」などの、施設内の設備配管が主な工事。
・公共の水道管工事:50%
・公共の上水道施設:30%
・民間の上水道工事:10%
・その他いろいろ:10%
【受注の割合】
上水道工事は市町村が管理するので、公共工事での発注になる。そのため民間工事はあまりない。
・公共工事の比率:95%、民間工事の比率:5%
【請負の割合】
公道に布設する上水道工事は、「土木一式工事」で発注されるので、土木会社からの一次下請けが多くなる。もちろん、直接元請けになることもある。
・元請け率:50%、下請け率:50%
【施工の割合】
配管職人を筆頭に「取壊工~土工~布設工~仮舗装工」と、すべての工程を自社施工で賄う。外注に出す工事と言えば、舗装版切断や不断水バルブ、本舗装の工事ぐらいである。
・自社施工率:90%、外注施工率:10%
2.基地~上水道会社の能力~
それでは上水道の会社内部を格付けしてみた!
きぼ(規模力)
格付階級:Aランク
会社の大きさのこと。普通であり、従業員の数は事務所が5人くらいで、現場が10~20人くらいの規模。
まぁ、どこにでもある一般的な水道屋を指す。
せつび(設備力)
格付階級:Sランク
保有機材の多さのこと。水道屋に欠かせないバックホウと、ダンプトラックを、数多く保有しなければならないので、かなり設備費用が掛かる。
じんいん(人員力)
格付階級:Aランク
人数の多さのこと。「剥ぎ取り~掘削~配管~埋戻~仮舗装」と一連の作業を行うため、一班4~5名の人数が必要となる。
しきん(資金力)
格付階級:Aランク
お金がかかるかどうかのこと。建設機械や、工事車両、電動工具など何かとお金がかかる。
そうごう(総合力)
格付階級:Bランク
施工管理能力のこと。配管の技術が高い反面、水道工事の施工管理は得意だが、その他の業種の施工管理は得意ではない。
せんもん(専門力)
格付階級:Sランク
特殊能力の高さのこと。公共事業の水道管の配管にかけて、ずば抜けた技術力を持ち、ほかの業者がまねできない知識を持つ。特にダクタイル鋳鉄管、配水用ポリエチレン管の技が得意。
3.組織~上水道業者の系譜~
上水道の任務を「遂行」するのに必要な職業と階級を紹介!
上水道の経営者(事務系)
水道業で飯を食っていくために、会社を立ち上げた張本人。彼がいないことには、何も始まらない。
・普通の経営者【公共水道の社長】
上水道の役員(事務系)
会社の中の管理を担当する役職付きの人。いつも社長から「利益!利益!」と言われるつらい立場の中間管理職。
・普通の役員【切れ者の設備部長】
上水道の監督(現場系)
現場の責任者で上水道を極めた監督。材料の種類が多く、かなりの知識量が必要で、計算力が高くないといけない職業。
・普通の監督【上水道専門の技術者】
上水道の職人(現場系)
水道業の「かなめ」である配管職人のことで、彼がいなければ「水道屋」を名乗れないとも言われる重要な職。
・普通の職人【ベテランの上水配管工】
上水道の運転手(現場系)
「開削工」と言われるトレンチ掘削のオペレータのことで、バックホウやダンプトラックが主な運転である職。そして、この作業には、トップレベルの「繊細さ」持つ者が最低1人は必要だ。
・普通の運転手【開削工の重機オペ】
上水道の作業員(現場系)
土工での人力作業や、配管職人の手元、仮舗装の手伝いなど、現場の雑用には欠かせない職業。一班の中に2名は必要だ。
・普通の作業員【設備屋の人夫さん】
・初級の作業員【はじめての設備屋】
4.資格~上水道施工の証書~
上水道業者の「業」を使うにあたり最低限必要な免許や資格!
建設業者系の許可
・総合許可:土木一式工事業
この許可を取得することで、公共の水道管布設工事を「元請け」で受注することが、可能となる。必ず取りたい許可。
・専門許可:とび・土工工事業
土工事、基礎工事の時に使える許可。開削工での床掘や埋戻の時に使える。
・専門許可:管工事業
公共の水道管布設工事には使えない許可。浄化槽設置工事の時や、建物内の配管工事に、この許可が威力を発揮する。
・専門許可:水道施設工事業
敷地内の取水施設、浄水施設、配水施設、下水処理設備の築造・設置工事を行うのに必要な許可。
施工管理系の資格
上水道の監督を目指す者には必須の国家資格。1級と2級があるが「主任技術者」になる者は2級の資格で十分だ。
・国家資格:2級土木施工管理技士
・国家資格:2級建設機械施工技士
・国家資格:2級管工事施工管理技士
現場作業系の資格
運転手や職人、作業員に必要な資格。試験ではなく講習なので、比較的に取得しやすい。土木工事で使用する資格が多い。
・技能講習:車両系建設機械(整地等用)
・技能講習:車両系建設機械(解体用)
・技能講習:小型移動式クレーン運転
・技能講習:玉掛作業
・特別教育:研削といしの取替試運転
作業主任者系の講習
職人、監督が持っておきたい現場作業の責任者の証。上水道の場合この2つで事足りる。
・技能講習:地山の掘削作業主任者
・技能講習:土留め支保工作業主任者
自動車系の免許
現場では自動車の運転免許は必要で、4tクラスのトラックを運転できる能力がいる。大型のトラックには、あまり乗ることもないだろう。
・運転免許:普通の自動車運転
・運転免許:中型の自動車運転
5.格納庫~大きな機械の倉庫~
上水道業者の「武器」であり、最も活躍する建設機械や工事車両の種類!
上水道専用機
片側通行の道路や、幅がせまい道路での作業が多いので、小旋回のバックホウが大活躍する。機体の大きさは0.1~0.2m3クラスが一般的だ。
・掘削属性:中折れ式のバックホウ
・掘削属性:超小旋回のバックホウ
上水道小型機
エンジンを動力として、人力で動かす小型の建設機械。主に作業員が操作することが多い。
・転圧属性:振動ローラー
・転圧属性:バイブロプレート
・転圧属性:タンピングランマ
・転圧属性:プレートコンパクター
・切断属性:舗装カッター
・切断属性:エンジンカッター
工事車両系
水道工事の現場でよく使われる自動車。3tクラスのダンプトラックがよく使われる。
・運搬属性:軽トラック
・運搬属性:ダンプトラック
・運搬属性:クレーン付き回送車
6.道具箱~小さな工具の物入~
上水道業者には欠かせない「小道具」の数々!
工具系の道具
配管に使用する工具だけでも、自動車整備工並みの工具が必要。
・締付属性:パイプレンチ
・締付属性:トルクレンチ
・締付属性:スパナレンチ
・切断属性:塩ビカッター
測量系の道具
以外に測量の道具は少なく、巻き尺やスケールを使った計測が主になる。
・計測属性:巻き尺テープ
・計測属性:コンベックス
・計測属性:クロスロッド
7.まとめ~要約してみる~
上水道工事の業(わざ)と言うものを、まとめてみました。
感想を書いてみる。
上水道工事とは・・・
工事の内容自体、一般の土木と変わりはなく、構造物を築造か、水道管を布設するかの違いだけだが、施工の難易度は土木工事の上位に位置する。
が、
水道管布設工事の内容自体は単純で、毎日「剥ぎ取り~床掘~基礎砂~管布設~保護砂~在来土~路盤工~仮舗装」と繰り返しで、複雑な作業はない。
しかし、
配管工には、特別な技術が必要で、寸法間違いが許されず、水漏れが絶対に許されないと言う。とても責任がいる仕事だ。
そして監督は、ち密な計算のもとに管割図を作成し、資材を段取りよく発注する。とても責任が重い仕事だ。
ぜひ、
上水道の職業を目指してみては・・・
水。