「インフラの属性「雨」を司り、配管の業をふるう集団!」
・紺管色のスーアリッジとは?
公共事業の中の社会基盤の整備で、「汚水」や「雨水」を流すための下水管と呼ばれる、管をつないでいくことを目的とした、下水道工事専門業者のこと。
日々日常、快適にトイレができるのも、彼らのおかげでもある。
そして、
上水道工事と区別されるが、基本的な工事の流れは、ほとんど一緒で管の種類が違うだけだ。
その属性は【水】系であり、【紺】の色がイメージ色である。
- 1.任務~下水道工事の仕事~
- 2.基地~下水道会社の能力~
- 3.組織~下水道業者の系譜~
- 4.資格~下水道施工の証書~
- 5.格納庫~大きな機械の倉庫~
- 6.道具箱~小さな工具の物入~
- 7.まとめ~要約してみる~
1.任務~下水道工事の仕事~
「下水道工事業」という任務を遂行する者の仕事内容など。
きほんの情報
業界:建設業(分類コード0301)
種族:設備系(専門業種)
業種:下水道(工事の呼び名)
許可の規模:一般建設業
許可の種類:管工事業
ぎょうむの内容
【開削工法(土留無)】
一般的な工法で、バックホウを使い地上から掘削し、布設したのち、埋め戻す工法掘削高1.5m以内の掘削で使用される。
【開削工法(土留有)】
土留めと呼ばれる、軽量矢板や、建て込み簡易土留めを使い、1.5m以上の掘削を可能とした掘削工法。地山の崩壊を防ぐことが出来るが、施工難易度が格段に上がる。
【推進工法】
掘削作業ができない地中深くに、下水管を布設するときに使用される工法で、「発進立坑」、「到達立坑」を設置し、油圧ジャッキで、推進機を推し進めながら、下水管を布設する工法だ!
【シールド工法】
管径1mを超えた超巨大トンネルや、直線距離が長いトンネルを作るときの工法。もう、このあたりの工事になると、特定土木(大手ゼネコン)の業種になるので、解説はしません。
この中の、開削工法(土留無、有)の施工を、最も得意とする業種である。
しょうさいの詳細
【仕事の割合】
そのほとんどが、公共事業の仕事で、公道に下水道管を布設するのが、ほとんどだ!
・開削工法による下水道本管布設:70%
・推進工法による下水道本管布設:0%
・マンホール設置:10%
・公共桝設置:10%
・その他いろいろ:10%
【受注の割合】
ほぼほぼ、公共工事で、公共桝から宅内までの配管は、機械設備工事の仕事となる。
・公共工事の比率:95%、民間工事の比率:5%
【請負の割合】
下水道工事も、土木一式工事で発注されることが多く、土木会社が元請けとなり、下請け工事が多くなる。
・元請け率:50%、下請け率:50%
【施工の割合】
床掘から仮舗装まで、すべての作業を自社で行うので、外注に発注することはあまりない。
・自社施工率:90%、外注施工率:10%
2.基地~下水道会社の能力~
それでは下水道の会社内部を格付けしてみた!
きぼ(規模力)
格付階級:Aランク
会社の大きさのこと。一般の上水道工事会社と、同じレベルの規模。事務職5名ほどで、現場職が10~20名ほどの組織だ!いわゆる、普通に見かける会社の規模。
せつび(設備力)
格付階級:Sランク
保有機材の多さのこと。自社での保有する機械が多く、土木工事が一式出来るくらいの設備が必要となる、ゆえに設備力は高い。
じんいん(人員力)
格付階級:Aランク
人数の多さのこと。現場では、一班5名は最低必要で、それ以下になると施工が困難になる。そのため、それなりの人員確保が必要だ!
しきん(資金力)
格付階級:Aランク
お金がかかるかどうかのこと。材料費、機械費、人件費、リース費と、それなりにお金がかかる。普通の運転資金は、用意しないといけない。
そうごう(総合力)
格付階級:Aランク
施工管理能力のこと。下水道の工事に関しては、ほとんど床掘から仮舗装まで、一式で請け負うので、普通の施工管理能力は必要。
せんもん(専門力)
格付階級:Sランク
特殊能力の高さのこと。公共工事の下水道の技は、一般の土木業者では、真似できないほどの技術力を持つ。特に「精密で繊細」な技術が必要だ!
3.組織~下水道業者の系譜~
下水道の任務を「遂行」するのに必要な職業と階級を紹介!
下水道の監督(現場系)
現場の責任者であり、主任技術者とも呼ばれる下水道工事での段取り係。必ず一人は、いないといけない重要な職業。
・普通の監督【下水専門の技術者】
下水道の職人(現場系)
下水管を接続する時に活躍する、配管のスペシャリスト。この職も一人はいないと管がつながらない。
・普通の職人【ベテランの下水配管工】
下水道の運転手(現場系)
下水道の開削工で、バックホウの操作を専門に扱う職業。土留工がある掘削作業時は、難易度が格段に上がるため、業界内でもトップクラスの職業だ!
・普通の運転手【土留工の重機オペ】
下水道の作業員(現場系)
掘削跡の整正や、基礎材の敷き均しなどの各作業の補助に欠かせない作業員のこと。上水道工事の作業員と、仕事内容が似ている。
・普通の作業員【下水設備の人夫さん】
4.資格~下水道施工の証書~
下水道業者の「業」を使うにあたり最低限必要な免許や資格!
建設業者系の許可
「公共設備の社長」を目指す貴方様。下水道工事を行うにあたって、以下の4つの許可は最低限必要です!
・総合許可:土木一式工事業
・専門許可:とび・土工工事業
・専門許可:管工事業
・専門許可:水道施設工事業
施工管理系の資格
「設備の監督」を目指す君へ。以下の資格をぜひとも取ろう!できれば1級を・・・
・国家資格:2級土木施工管理技士
・国家資格:2級管工事施工管理技士
・公的資格:下水道排水設備工事責任技術者
現場作業系の資格
「設備の運転手」を目指すあなたへ。車両系(3t以上)と移動式クレーンは、取得しないと運転手になれないぞ!
・技能講習:車両系建設機械(整地等用)
・技能講習:小型移動式クレーン運転
・技能講習:玉掛作業
作業主任系の講習
「設備の職人」を目指すお前!最低でもこの資格だけは取りに行け!!
・技能講習:地山の掘削作業主任者
・技能講習:土留め支保工作業主任者
自動車両系の免許
「設備の作業員」を目指す作業員の方々。最低でもトラックの運転は、できるようになりましょう。
・運転免許:普通の自動車運転
・運転免許:中型の自動車運転
5.格納庫~大きな機械の倉庫~
下水道業者の「武器」であり、最も活躍する建設機械や工事車両の種類!
下水道専用機
開削工で使用する建設機械で、主な重機としてバックホウがある。そして土留工施工時には、移動式クレーン仕様車を使用する。
・掘削属性:中折れ式バックホウ
・掘削属性:スライドアーム式バックホウ
・掘削属性:超小旋回型バックホウ
下水道汎用機
仮置き場や資材置き場で、活躍する積込用のバックホウ。砂、砕石、土砂、ガラの積込だけなので、多少「ぼろく」てもいける。
・掘削属性:普通のバックホウ
下水道小型機
上水道と似た小建設機で、主に作業員が取り扱う機械。どの機械も意外と簡単に扱える。
・転圧属性:ハンドガイド式ローラー
・転圧属性:バイブロプレート
・転圧属性:タンピングランマ
・転圧属性:プレートコンパクター
・切断属性:舗装用のロードカッター
・切断属性:エンジンカッター
工事車両
資材運搬と土砂運搬に使用されるトラックで、2t~4tクラスが主流である。またトラックの運転は、運転手の仕事と思われがちだが、作業員や職人が運転することが多い。
・運搬属性:軽トラック
・運搬属性:ダンプトラック
・運搬属性:ユニック付き回送車
6.道具箱~小さな工具の物入~
下水道業者には欠かせない「小道具」の数々!
工具系の道具
おもに配管時に使用する職人御用達の専用工具。工具の種類は、上水道と比べると数は少ない。
・配管挿入機
・スポンジボール
・継ぎ手用の接着剤
・継ぎ手用のVソープ
測量系の道具
平面測量で角度を測るトランシットや、高低差を測るレベルなど監督が使う道具が多い。
・角度を見るトランシット
・高さを見るオートレベル
・下水管点検用ミラーライト
・下水管布設用の管芯測定器
・丁張を懸けるときに使う水平器
・長さを測る巻き尺テープ
7.まとめ~要約してみる~
下水道工事の業(わざ)と言うものを、まとめてみました。
感想を書いてみる。
下水道工事とは・・・
非常に、上水道工事とそっくりな施工方法で、「舗装剥取~床掘~基礎材~布設~埋戻~路盤~仮舗装」という流れは、全く一緒である。
だが!
一つだけ違う所がある!
それは、掘削深さである。
排水勾配を取らなければいけないので、どんなことがあっても、設計の掘削深さまで掘らなければならない。
深い所では、建物の横を「直高3mを超える床掘」もあると言う。大変恐ろしい作業だ。
その過酷な作業を、いとも簡単にこなしていく下水道業者に、ぼくは感動すら覚えました。
雨。