ケンセツクエスト~建設界の神々~

【伝説の土方棒心】に【あこがれの現場所長】や【幻の土木秘書】など…さまざまな建設業界の業種と職業の紹介!

【石積工事業】黄石色のメーソンリーとは?どういう業種でどういう仕事?

f:id:panboku409:20210130183409j:plain

「石の顔が見え、石と話し、石の声が聞こえる!すこし変わった集団!」

 

黄石色のメーソンリーとは?

畑の石垣、道路の石垣、屋敷の石垣と、石を使った擁壁専門の技術屋集団。

「石」の技のみを磨き続け、それ以外の工事はやらないのが特長だ。

中には、有名なお城の石垣を修復する1000年の歴史を持つ集団「伝説の石垣衆」の末裔も実在するという。

そんな、夢が膨らむ業種であるのは確かだ!

その名の通り【石】系の属性を持ちながら、なぜだか【黄】の色を好む。

 

 

 

1.任務~石積工事の仕事~

「石積工事業」という任務を遂行する者の仕事内容など。

f:id:panboku409:20210130183435j:plain

きほんの情報

業界:建設業(分類コード0301)

種族:土木系(専門業種)

業種:石積(工事の俗称)

許可の規模:一般建設業

許可の種類:石工事業

ぎょうむの内容

石垣工事の内容を以下に示す。普段の工事では公共の仕事が多いので、難しい積み方はあまりない。

【加工の匠技】

使う石の加工方法。自然石をそのまま使う「野面石」、雑に削り加工する「打込み接ぎ」、きれいに削り加工する「切込み接ぎ」

・加工技1.野面石(のづらいし)

・加工技2.打込み接ぎ(うちこみはぎ)

・加工技3.切込み接ぎ(きりこみはぎ)

【積の匠技】

石積の積み方の種類で、様々な種類の積み方がある。仕事の量で比べると「野面石積」の積み方が一番多い。

・積技1.崩れ積(くずれ)

・積技2.玉石積(たまいし)

・積技3.小端積(こば)

・積技4.野面石積(のづらいし)

・積技5.間知石積(けんちいし)

・積技6.亀甲積(きっこう)

・積技7.切石積(きりいし)

・積技8.穴太積(あのう)

【並べの匠技】

石垣の並べ方の種類で、石を横に使う「布」、石を落とし込んでいく「谷」、決まりがない「乱」の3種類がある。

・並技1.布積み(ぬの)

・並技2.谷積み(たに)

・並技3.乱積み(みだれ)

【胴込めの匠技】

胴込みの中に、コンクリートを入れるか入れないかの違い。断然、コンクリート入れた練積のほうが強度はある。

・胴込技1.空積み(からつみ)

・胴込技2.練積み(ねりつみ)

 

しょうさいの詳細

【仕事の割合】

工事量からして、区画整理の工事がそのほとんどを占め、個人の仕事は、少ない。そして、ごくまれに、有名なお城の石垣工事を施工することもある。

圃場整備の石垣積:40%

宅地造成の石垣積:30%

道路や河川の石積:20%

個人の屋敷の石垣:10%

お城の城郭の石垣:0.0001%

【受注の割合】

公共の区画整理での仕事が多く、それに比べて、民間の工事は、やや少ない。

公共工事の比率:70%、民間工事の比率:30%

【請負の割合】

ほとんどの石垣工事は、土木工事業からの発注であり、下請け工事ばかりだ!

元請け率:10%、下請け率:90%

【施工の割合】

そのほとんどを、自分の会社で施工する。外注に発注することは、まずない。

自社施工率:100%、外注施工率:0%

 

 

2.基地~石積会社の能力~

それでは石積の会社内部を格付けしてみた!評価が高い順に「SS、S、A、B、C」の5段階。

f:id:panboku409:20210130183518j:plain

きぼ(規模力)

格付階級:Aランク

会社の大きさのこと。普通・・・。地場を本拠地にして、活動する会社クラスである。従業員5~10名程度の小さな会社レベル。

せつび(設備力)

格付階級:Bランク

保有機械の多さのこと。普通以下レベルの設備でもよく、バックホウがあれば良い。そこまで設備費は必要ない。

じんいん(人員力)

格付階級:Aランク

人数の多さのこと。直営施工が主になるので、人材の確保が必須になる。日ごろから、人を探しておいたほうが良い。

しきん(資金力)

格付階級:Aランク

お金のかかり方のこと。普通でよい。人件費が主な費用となるので、それを乗り越えれば、そんなにかからない。

そうごう(総合力)

格付階級:Cランク

施工管理能力の高さのこと。ほとんどないに等しい。下請け工事での作業が多く、元請けが施工管理をしてくれるので、管理能力はなくてもいい。

せんもん(専門力)

格付階級:Sランク

特殊技術の高さのこと。建設業の中で、専門職のポジションではあり、本当のところ「SSランク」でもよいのだが、小規模の石垣工事などは、土木工事でも行うので「Sランク」扱いとなる。

 

 

3.組織~石積業者の系譜~

石積の任務を「遂行」するのに必要な職業と階級を紹介!

f:id:panboku409:20210130183545j:plain

石積の職人(現場系)

石垣積の「主人公」であり、彼らなしでは行えない仕事だ。通常、「石を積む係」と「石を選ぶ係」と「石を支える係」に分かれて作業をする。そして、中には「伝説の石垣衆」と呼ばれ、実在する職業もある。

・神級職人の【石神王の石工】

・上級職人の【玉掛専門の石工】

・普通職人の【野面石専門の石工】

・初級職人の【尻かい専門の石工】

石積の運転手(現場系)

クレーン作業を得意とするオペレータ。どんなに重い石でも軽々と持ち上げ、職人に届けてくれる力持ち。そして、中には「職人いらず」のオペレータも存在するとか。

・上級運転手の【フォークローの達人】

・普通運転手の【クレーン仕様のBHオペ】

 

 

4.資格~石積の業に必要な証~

石積業者の「業」を使うにあたり最低限必要な免許や資格!

f:id:panboku409:20210130183618j:plain

建設業者系の許可

必ず必要な建設業の許可ではないが、大手の下請け工事や、500万円以上の元請け工事の時に必要となる。その取得方法は、10年以上の実務経験か、石材施工技能士の資格で「一般建設業の許可」は取れる。

・専門業種:石工事業

施工管理系の資格

施工管理はやらない。ほとんど元請けの人が管理するので、管理系も資格は不要。

・特になし

現場作業系の資格

石積工事の作業自体に、現場作業系の資格は必要ないが、技能士の資格を持っていると「鼻」が高い。あと、機械運転の資格は必須だ。

・国家技能:石材施工技能士

・技能講習:車両系建設機械の整地等用

・技能講習:小型移動式クレーン運転

・技能講習:玉掛作業

作業主任者系の講習

作業主任者はいらない。そもそも石積用の資格がない。

・特にない。

自動車両系の免許

石材、埋め戻し材と、だいたい元請けが用意してくれるので、道具が乗せられるトラックを運転できる免許があれば良い。

・運転免許:普通自動車運転

 

 

5.格納庫~大きな機械の倉庫~

石積業者の「武器」であり、最も活躍する建設機械や工事車両の種類!

f:id:panboku409:20210130183652j:plain

石積専用機

普段はあまり見かけない、職人いらずの専用機。かなり高い、操作レベルを要求される。

・掴機属性:フォークロー仕様のバックホウ

・掘削属性:スケルトンバケット

石積汎用機

一般の石積工事に使用される、建設機械。土木工事でよくお目見かかる機械だ!

・楊重属性:移動式クレーン仕様のバックホウ

石積小型機

裏込め材の締固めに使われる機械や、石を割るのに使われる発動機。以外に活躍するものばかりだ!

・締固属性:タンピングランマ

・圧縮属性:エアーコンプレッサー

・穿孔属性:削岩機

・斫壊属性:エアーチッパー

工事車両系

現場へと、道具と作業員たちを送り出すのに使われる自動車たち。たまに、ダンプトラックが使われることもある。

・運搬属性:ダブルキャブのトラック

・運搬属性:2~4tのダンプトラック

 

 

6.道具箱~小さな工具の小物入れ~

石積業者には欠かせない「小道具」の数々!

f:id:panboku409:20210130183717j:plain

工具系の道具

土木工事でよく見かける工具が多いが、その中でも、石吊り用のチェーンは、特別仕様のチェーンである。

・玉掛属性:石吊り用の特製チェーン

・玉掛属性:石吊り用のワイヤーロープ

・鉄槌属性:大かなづち(スレッジハンマー)

・石頭属性:せっとう(セットハンマー)

・破鎚属性:はづち(石積ハンマー)

・梃子属性:バール(かなてこ)

測量系の道具

たまにしか使われない測量の器械。石積工事の場合、水糸があれば、すべての作業において、ほぼ足りる。

・水準属性:オートレベル

・計測属性:コンベックス3.5m

・補助属性:中太の水糸

 

 

7.まとめ~要約してみる~

石積の業(わざ)と言うものを、まとめてみました。

f:id:panboku409:20210130183739j:plain

感想を書いてみる。

石積工事とは・・・

単に石積工事と言っても、様々な種類の石垣が存在する。

そして、その費用も様々で、安い物でも1m2当たり5000円から始まり、高い物になると1m2当たり50000円を超えることもあるという。

しかし、

石で積まれた石垣は、情緒があって、風情のあり、なんだか懐かしい気分にさせられる。

と、言うことです。

 

垣。