「石の顔が見え、石の声が聞こえる!変わった集団!」
・黄石色のメーソンリーとは?
畑の石垣、道路の石垣、屋敷の石垣と、石を使った擁壁専門の技術屋集団。
「石」の技のみを磨き続け、それ以外の工事はやらないのが特長だ。
中には、有名なお城の石垣を修復する集団「伝説の石垣衆」の末裔も実在するという。
夢が膨らむ業種であるのは確かだ!
その名の通り【石】系の属性を持ち、なぜだか【黄】の色を好む。
1.任務~石積工事の仕事~
【石積工事業】という任務を遂行する者の仕事内容など。
基本情報
業界:建設業 0301
種族:土木系
業種:石積工事
許可の規模:一般
許可の種類:石
石積工事業の特長
石垣工事の内容を以下に示す。普段の工事では公共の仕事が多いので、難しい積み方はあまりない。
【加工技】
使う石の加工方法。自然石をそのまま使う「野面石」、雑に削り加工する「打込み接ぎ」、きれいに削り加工する「切込み接ぎ」
野面石(のづらいし)
打込み接ぎ(うちこみはぎ)
切込み接ぎ(きりこみはぎ)
【積術】
石積の積み方の種類で、様々な種類の積み方がある。仕事の量で比べると「野面石積」の積み方が一番多い。
崩れ積(くずれつみ)
玉石積(たまいしつみ)
小端積(こばつみ)
野面石積(のづらいしつみ)
間知石積(けんちいしつみ)
亀甲積(きっこうつみ)
切石積(きりいしつみ)
穴太積(あのうつみ)
【並べ技】
石垣の並べ方の種類で、石を横に使う「布」、石を落とし込んでいく「谷」、決まりがない「乱」の3種類がある。
布積み(ぬの)
谷積み(たに)
乱積み(らん)
【胴込め】
胴込みの中に、コンクリートを入れるか入れないかの違い。断然、コンクリート入れた練積のほうが強度がある。
空積み(からつみ)
練積み(ねりつみ)
メインとなる石積工事の種類と割合
工事量からして、区画整理の工事がそのほとんどを占め、個人の仕事は、少ない。そして、ごくまれに、有名なお城の石垣工事を施工することもある。
圃場整備の石垣積:50%
宅地造成の石垣積:40%
個人の屋敷の石垣:10%
お城の城郭の石垣:0.0001%
公共工事と民間工事の比率
公共の区画整理での仕事が多く、それに比べて、民間の工事は、やや少ない。
公共工事の比率:70%
民間工事の比率:30%
元請けと下請けの割合
ほとんどの石垣工事は、土木工事業からの発注であり、下請け工事ばかりだ!
元請け率:10%
下請け率:90%
自社施工と外注施工の割合
そのほとんどを、自分の会社で施工する。外注に発注することは、まずない。
自社施工率:100%
外注施工率:0%
2.基地~石積会社の能力~
それでは石積の会社内部を格付けしてみた!
評価が高い順に「SS、S、A、B、C」の5段階。
規模力:Aランク
普通・・・。地場を本拠地にして、活動する会社クラスである。従業員10~20名程度の小さな会社レベル。
設備力:Bランク
普通以下レベルの設備でもよく、バックホウがあれば良い。そこまで設備費は必要ない。
人員力:Aランク
直営施工が主になるので、人材の確保が必須になる。日ごろから、人を探しておいたほうが良い。
資金力:Aランク
普通でよい。人件費が主な費用となるので、それを乗り越えれば、そんなにかからない。
管理力:Cランク
ほとんどないに等しい。下請け工事での作業が多く、元請けが施工管理をしてくれるので、管理能力はなくてもいい。
専門力:Sランク
建設業の中で、専門職のポジションではあり、本当のところ「SSランク」でもよいのだが、小規模の石垣工事などは、土木工事でも行うので「Sランク」扱いとなる。
3.組織~石積業者の系譜~
石積の任務を【遂行】するのに必要な職業と階級を紹介!
石積の職人(現場系)
石垣積の「主人公」であり、彼らなしでは行えない仕事だ。通常、「石を積む係」と「石を選ぶ係」に分かれて作業をする。そして、中には「伝説の石垣衆」と呼ばれながらも、実在する職業もある。
石積の運転手(現場系)
クレーン作業を得意とするオペレータ。どんなに重い石でも軽々と持ち上げ、職人に届けてくれる力持ち。そして、中には「職人いらず」のオペレータも存在するとか。
石積の作業員(現場系)
石垣の「影」の部分を支える、重要な役割を持つ作業員。彼らの丁寧な作業のおかげで、石垣は崩れない。
4.資格~石積の業に必要な証~
石積工事の【業】を使うにあたり最低限必要な免許や資格!
建設業の許可
必ず必要な建設業の許可ではないが、大手の下請け工事や、500万円以上の元請け工事の時に、必要となる。その取得方法は、10年以上の実務経験か、石材施工技能士の資格で「一般建設業の許可」は取れる。
石工事業(専門)
施工管理系の資格
施工管理はやらない。ほとんど元請けの人が管理するので、管理系も資格は不要。
現場作業系の資格
石積工事の作業自体に、現場作業系の資格は必要ないが、技能士の資格を持っていると「鼻」が高い。あと、機械運転の資格は必須だ。
石材施工技能士(国家資格)
車両系建設機械の整地等用(技能講習)
小型移動式クレーン運転(技能講習)
玉掛作業(技能講習)
作業主任者系の講習
作業主任者はいらない。そもそも石積用の資格がない。
自動車系の免許
石材、埋め戻し材と、だいたい元請けが用意してくれるので、道具が乗せられるトラックを運転できる免許があれば良い。
普通自動車運転(免許)
5.格納庫~大きな機械の倉庫~
石積工事の【武器】であり、最も活躍する建設機械や工事車両の種類!
石積専用機
普段はあまり見かけない、職人いらずの専用機。かなり高い、操作レベルを要求される。
フォークロー仕様のバックホウ
スケルトンバケット
石積汎用機
一般の石積工事に使用される、建設機械。土木工事でよくお目見かかる機械だ!
移動式クレーン仕様のバックホウ
石積小型機
裏込め材の締固めに使われる機械や、石を割るのに使われる発動機。以外に活躍するものばかりだ!
タンピングランマ
エアーコンプレッサー
削岩機
エアーチッパー
工事車両系
現場へと、道具と作業員たちを送り出すのに使われる自動車たち。たまに、ダンプトラックが使われることもある。
ダブルキャブのトラック
2t~4tのダンプトラック
6.道具箱~小さな工具の小物入れ~
石積工事には欠かせない【小道具】の数々!
工具系の道具
土木工事でよく見かける工具が多いが、その中でも、石吊り用のチェーンは、特別仕様のチェーンである。
石吊り用の特製チェーン
石吊り用のワイヤーロープ
大鉄鎚(スレッジハンマー)
石頭(セットハンマー)
破鎚(石積ハンマー)
梃子バール(かなてこ)
測量系の道具
たまにしか使われない測量の器械。石積工事の場合、水糸があれば、すげての作業において、ほぼ足りる。
オートレベル
コンベックス3.5m
中太の水糸
7.まとめ~要約してみる~
石積工事の業(わざ)と言うものを、まとめてみました。
感想を書いてみる。
石積工事とは・・・
単に石積工事と言っても、様々な種類の石垣が存在する。
そして、その費用も様々で、安い物でも1m2当たり3000円から始まり、高い物になると1m2当たり50000円を超えることもあるという。
しかし、
石積の石垣は、情緒があって、風情のあり、なんだか懐かしい気分にさせられる。
と、言うことです。
懐。